はじめに
わが家は、子どもが生まれる前にマイホームを購入しました。
ローンを含めた生活費も無理なく管理できていて、もともと私は貯金が得意なタイプ。
だからこそ、「使わずに残せるお金は、将来のために備えておきたい」と考えていました。
でも当時の私が知っていた“お金を増やす方法”は、ほとんど保険だけ。
投資はこわいし、銀行の利息はほぼゼロ。
「それなら保険に預けておけば安心だし、少しずつでも増えるはず」
そう思って、教育費と老後資金は保険でほぼまかなうつもりでした。
保険こそが、一番安心で確実に増える手段だと信じていたんです。
その金額は、年間140万円(月あたり約11.6万円)+一括200万円の契約もありました。
今振り返ると、「安心のつもりが、身動きのとれない家計」をつくっていたな…と感じています。
加入していた保険の内容(当時)
- 契約者:夫・妻(私)
- 年間支払額:約140万円
- 加入先:複数社(外貨建て・日本円建てを分散)
主な契約内容:
- 外貨建て終身保険(米ドル・豪ドル)
- 日本円建て終身保険
- 一括200万円支払いの契約もあり
このうち、積立型として選んでいたのは外貨建ての終身保険。
一部は、外貨建て・日本円建てともに一括で200万円を支払っていました。
なぜここまで保険に頼っていたのか?
- 貯金はできても、お金を“増やす”方法がわからなかった
- 「保険なら確実に積み立てられて、少しずつ増える」と思っていた
- 投資はこわくて、NISAやiDeCoの制度も知ってはいたけど、自分には関係ないと思っていた
- 家族のために“安全な方法”で備えたかった
- 自分では使わないように、“先取り貯金”の感覚で安心だった
家計への影響
保険に加入していても、ある程度の現金は手元に残していました。
でもそれは「生活防衛資金」としてキープしているだけで、自由に使えるお金が少ない状態。
しかも「こんなに払ってるのに、あまり増えてない…」という感覚も常にありました。
一時払いで200万円を支払った契約もありましたが、
それは「最初にまとめて払うことで返戻率が上がる」という仕組み。
でもその分、まとまった現金がロックされて動かせないのも事実です。
また、外貨建て(米ドル・豪ドル)は「利率が高い」と言われていても、
為替リスクや高い手数料、解約時の元本割れが不安要素でした。
保険の設計書には「予定利率3%」と書かれていましたが、
最初はそれを見て「そういうものか」と思っていました。
でも今では、「どれだけ手数料を取られていたんだろう」と感じています。
実際に戻ってくる利回りは1%前後かそれ以下…。運用というより、“損してなければいいな”と思うくらいのものでした。
転機は、ある独立系FPさんとの出会い
加入から1年ほどたった頃、中立的な立場の独立系FPさんに出会いました。
(保険を売る人ではなく、相談料を払って話を聞いてもらうスタイル)
それまでの私は、「FP=保険を売る人」というイメージしかなかったので、正直びっくりしました。
※実際、保険の営業さんがFP資格を持っていることも多く、中立な提案とは限りません。
そのFPさんはブログを書かれていて、私は育休中にそのブログを読んでいました。
家計の見直しや制度の解説がとても分かりやすく、
ちょうどその頃、「保険、このままでいいのかな…」と感じていた時期。
そんなときに、「FPとして独立される」というお知らせをブログで知って、思いきって相談を申し込んだんです。
この方には、iDeCoやつみたてNISAの基本から丁寧に教えてもらい、
ライフプラン表も一緒に作ってもらいました(数万円の相談料)。
少しずつ、
「これまでの選択は、“安心”を優先するあまり、選択肢を狭めていたかもしれない」
そんなふうに思うようになったんです。
※つみたてNISA・新NISAについては、また別の記事で詳しく紹介します。
見直して決断したこと
- 保険は「保障」と「資産形成」を分けて考えるべきと知った
- 必要性の薄い契約は見直し、すでに支払い済みの保険の一部だけをのこすことに
- 教育費や老後資金は、新NISAやiDeCoで準備していく方針へ
- 最初は不安だったけど、仕組みを知って「少しずつ始めてみる」ことで怖さが減った
今振り返って思うこと
あの頃の私は、貯金はできていても、「お金を増やす力」までは持っていませんでした。
どこかで、“安心できる場所に置いておくこと”が正しいと思い込んでいたのかもしれません。
でも今振り返ると、
保険で備えていたつもりが、気づけば「動かせないお金」に家計が縛られていたように感じます。
毎月きちんと支払っているのに、それが将来どれだけ役に立つのかははっきりしない。
そんな不安を抱えながらも、見直す勇気が出せずにいた時期もありました。
その後、契約内容を整理して、
すでに支払い済みの保険の一部だけをのこすことにしました。
そして、これから備える教育費や老後資金は、自分自身で管理しながら、
少しずつ“育てていく”選択をしています。
はじめはこわかったけれど、
「手元に自由に使えるお金がある」という安心感は、思っていた以上に大きなものでした。
次回予告
次の記事では、「保険を見直してどう変わったか」「今どんな保険をのこしているか」を紹介します。
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